DTMの話と、Googleによる知識と書籍から得る知識と。

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Logic Pro Xを購入した。

前回の更新と話題を変えまして、DTMについての話です。
DeskTop Music、つまりパソコンを使った音楽制作ですね。

バンドが止まったから、という理由も大きな理由ですが、
自分が興味があった分野でありまだまだ手を出すことが出来ていなかった分野である
DTMをついに使い始めています。

始めようと思うまでの道のりが長かった・・・。
家で眠っていた、知人から譲り受けてそのまま放置されていたLogic旧バージョンは、
ついに動き始めたご主人さまを見てようやくほっと一息したところでしょう。

そのLogicも、ワケがありまして最新バージョンのものを買い直しました。
Logic Pro Xです。

https://www.apple.com/jp/logic-pro/


Logicの最新バージョンの購入に至った理由は、
まず今年に入って依頼をいただいたベースレコーディングの話があります。

エレキベースのレコーディング依頼で、疾走感のあるベースラインを提示してもらい、それをレコーディングする必要があったのです。
当時、バンドメンバー宅でDTM制作環境が完璧に整っていたため、そこでレコーディングさせてもらえばいいかなぁと考えていたのですが、彼が猛烈に忙しくなりはじめていたため、予定を合わせられず。

「まぁ、ベースのレコーディングであれば自分で出来るか」と簡単に考え、家で眠っていたオーディオインターフェースとLogic旧バージョンでレコーディングを始めました。

順調に録り始められ、安心したのもつかの間、いつもメンバー宅でレコーディングしている時にテイク選択に使っていた、「あって当然」と思っていた機能がありません。
「これ、ドラッグしてテイクを自由に変える機能が無いやんけ!!」

これはクイック・スワイプ・コンピングという機能で、簡単に言いますと「同じトラックで複数回レコーディングした時に、"何回目のテイクで録音した音を利用するか"をドラッグで選択し、色々なテイクをミックスできる」というめちゃくちゃ役に立つ機能ですが、自宅にあるLogicのバージョンにはその機能が無かったのです。

生命線となるぐらい自分に必要な機能であったため、迷うことなく最新版のLogic導入を決めました。
しかしOSはアップグレードせねばならず、HDDは空き容量を増やさねばならず、なかなかに大変でした。
が、後悔はありません。Logic Pro X、これは良いものだ。


ちなみにそのようにして出来上がったベースが使われている楽曲はこちらです。
てとてと@情熱Pさんの曲です。カッコイイですね。
素敵にミックスしていただけて嬉しいです。







打ち込み制作を始めました。

別の話が長くなりましたが、そのようにして導入されたLogic ProX。
しかしLogicといえば、レコーディングもさることながら、やはりLogicの得意分野は「打ち込み」
たった2万円ちょっとの価格の中に、膨大な量の音源とエフェクトが収録されていることこそ、このソフトの最大の魅力だと思います。

そんな打ち込みですが自分はMIDI打ち込みについてはあまり経験が無く、ボカロの制作については抵抗無くできるかなぁという程度の経験でして。
自分のオリジナル曲を簡単にMIDIで打ち込んでデモにする程度はやったことがありますが、ドラムをきちんと打ち込んで、ベースも打ち込んで、ギターやピアノを重ねて・・・というところまで打ち込みで作った経験は無いという状況。

ならば勉強が必要ということになりますが、経験が無いという中でいきなり全部やるというのもしんどいなぁ・・・という気持ちになり、せっかくLogic最新版を買ったのにまた眠らせているところでした。


そんな中、「キーボードがある曲をライブでコピーしたいけど、キーボードのメンバーがいないのでライブでシンセを同期したい。最悪無理でもいいから作ってもらえないだろうか。」という依頼をありがたく頂戴しました。
正直結構不安だったのですが、「最悪無理でもいいから」という言葉に甘えて引き受け、今はその制作をしているところです。
このことは、おそらくきちんと完成できるだろうという目処がついたのでBlogに書いてるんですけどね。


ドラムやウワモノ全部など、色々なパートの打ち込みをしなければいけないということではなく、キーボードのパートだけでいいという話であれば、経験値を積むにはもってこいです。
クラシックの打ち込みみたいなのは自分は出来ませんが、ロックに使われるキーボードであればなんとなく知識もありますし。TMさんとか小室さんの方も西川さんの方も好きだし。

MIDIのノート打ち込みは、ボカロの時から慣れ親しんだピアノロールでのステップ入力。
マウスでカチカチと入力していきます。
シンセ音源のパラメータはよくわからないのですが、EQや各種エフェクターは大体わかるので、プリセットの音をEQとエフェクトで変えていくという方法で、中々良い感じに制作できています。


Google検索と、書籍での学習と

さて、今回のエントリのタイトルにもしているところですが。
DTMを始めるにあたり、色々Google検索で知識を集めようとしました。
しかし、書籍も買っていなければ不安だなぁと思い、以下の2冊を購入。

Logic Pro Xで始めるDTM&曲作り 
ビギナーが中級者になるまで使える操作ガイド+楽曲制作テクニック


と、

DTMトラック制作術 〜良い音の秘密はトラック数にあり


(書籍の内容のレビューは機会があれば。)

どちらも、素直に買ってよかったと思える内容でした。

特に1冊目を読んでいる時に思ったのですが、「ああ、今の時代でもこういう風に書籍で勉強するってことはとっても大事なことなのだなぁ・・・」とつくづく思い知りました。

今の時代、大体の知識はネットに溢れています。
音楽関連の場合、細かくてマイナーな演奏技術などはネットに詳しく書かれていないこともありますが、DTMの知識などはかなり詳細なところまでネットで情報を得られることが出来ます。まあ、パソコンが必須の技術なのでインターネットに情報が載りやすいんでしょうね。

ただ、Google検索による情報の確認は、「検索をする人の技術や知識により、得られる情報が偏る」という弊害があります。

言い換えれば「あれがやりたい」「これを知りたい」ということがはっきりしていなければ、その情報にアクセスできないということです。

たとえば「ベロシティ」という単語がわからなければ、MIDIノートに強弱をつける方法って直感的にわかりづらいと思いますし、全くの初心者であれば「なんとなくわからないけど、何がわからないのかがわからない」ということが多いと思うんです。


書籍のように、広く浅くで良いので色々な情報が200ページ以上に渡って記載されているというものに目を通しておけば、少しでも手ががりになる情報が自分の中に入ってきます。
今はその手がかりを元に、より深い知識を得るためにGoogle検索を使ったりLogicの公式Webマニュアルを細かく読み漁ったり、Logicを実際にいじくって自分の耳で確かめたりすることが出来ています。
まるで、森の中の少しのスペースに小さな集落が出来て、それが広がり村になるような気分というか。
ちょっとした開拓者の気分です。

もちろんネットにも「広く浅く」解説されたページも無くはないのですが、Webのページにして多くて5ページ程度だったり、書籍のように200ページ分ぐらいのボリュームはありません。
結果として、自分の知っている程度のことだけサラっと書かれているので、「自分が知らないこと」を知ることが出来ないんですね。それでは意味が無いということです。

そんなこんなで、書籍を購入して全体に目を通し、ソフトを実際に動かしてみることはこんなにも大事なことなのだなぁと改めて感じた昨今でございました。


ただし、書籍の危険なところは、「買っただけで満足してしまう」というところですね!

積ん読、ダメ!絶対!!

書籍に目を通して実際に手を動かして、それでようやく意味がある。自戒を込めて・・・!

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ライブハウスでの中音(モニター)の作り方・備忘録

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音楽に関することを書く、というテーマで始めようとしたものの、
初回のブログの内容が危うく「両国国技館に遊びに行ったこと」を書きそうになり…

慌てて、書く内容を変更しました。



バンドが活動休止してしまうことになったわけですが、
自分が培ってきたベース歴は10年以上あるわけなので、
ここはひとつ備忘録代わりに。
(決して、講釈を垂れるつもりは無く、あくまで備忘録です)

今回は、
「ライブハウスの中音(モニター)の作り方」
でも書こうかと思います。

身の回りにバンドマンの人が多いのに、
意見交換をする機会があんまり無かったということもあるし、
バンド始めたての人なんかも居て、役に立つかも、と思ったりもしまして。

しかし、あくまで
 ※ 個人の感想です。
僕は講師でも無いですし、講師になるつもりも無く。独自の経験で得た内容です。
なので、本気で勉強したい人はスクール行くなり師匠を探すなりしてくださいな。


ただ、大学サークルの劣悪な野外ライブの音響システムでの経験から始まり、
大規模ライブホールから小規模ライブハウスまで経験したことがありますので、
それなりにこの辺の話には自信はあります。


さて、書き始めます。

   (突然の著者近影)

Ⅰ. 中音って何さ?

ライブハウスに行く人の中には、「バリバリバンド活動をやっている」という人も居れば、
純粋に「お客さんとしてライブを楽しむ」というだけの人も居ます。

なので、とりあえず「中音って何?」って話から、さらっと書きます。

中音は、「なかおと」と呼びまして、
演奏者が演奏するのに必要なモニター音を指します。


通常、ライブを見に来る人は、ステージの両サイドに設置された、
メインスピーカーから発せられる音を聴いてライブを楽しんでいます。
これを、中音に対して「外音(そとおと)」と呼びます。

メインスピーカーからは、そのバンドのサウンド全体がバランス良く鳴り、
音楽として成立した形で、音が客席へ届けられます。


それに対して、
中音は演奏者が演奏するために必要を鳴らします。
極論を言えば、「ドラムだけ聴こえればいい」という演奏者が居た場合、
ボーカルの音もベースの音もスピーカーから出さなくて良いわけです。

中音は、主に「モニタースピーカー」と呼ばれる、演奏者のすぐ近くに設置されたスピーカーから発せられます。
ライブ演奏者はリハーサルの時間の大半を、このスピーカーの音量調整に費やします。
それぐらい、中音は演奏者の命なのです。



Ⅱ.中音は何で構成されるか?

先ほど、中音は主にモニタースピーカーから発せられる、と書きました。
しかし、とても、とてつもなく重要なことなのですが、
「中音はモニタースピーカーから出る」という理解だけでは、まともな音が作れません。
※ 今回のエントリの主題でもあります。

なのでここでは、
「中音は一体何で構成されているのか?」
ということを書きたいと思います。


中音、つまり演奏者が聴きながら演奏している音は、
大きく分けると以下の5つに分類されます。
 1.自分用のモニタースピーカーの音
 2.ステージ上に設置されたアンプの音
 3.他の演奏者用のモニタースピーカーの音
 4.楽器の生音
 5.客席に向けられたメインスピーカーの音(外音)

これだけの音が混ざり合った音が、ステージの中では鳴っているのです。


それぞれ解説します。

 1.自分用のモニタースピーカーの音
先ほども書いた通り、中音の主たる音を出すスピーカーです。
通常、30cm四方ぐらいのそれほど大きくないスピーカーが、
一人の演奏者に対して1つ、または2つ割り当てられています。

スピーカーの性質上、「すべての音をバランス良く、ハッキリと出す」ことは不可能です。
せいぜい、3種類~4種類の楽器の音をバランス良く出すのが限界なレベルです。

なので、演奏者がもっとも聴きたい音を、しっかりと出すことが
このモニタースピーカーの役割であると(少なくとも僕は)考えます。

モニタースピーカー以外にもステージ上では演奏に役立つ音が溢れているので、
必要な音すべてをモニタースピーカーから鳴らす必要は無い、ということが重要です。

なので、どうしても必要な音以外はモニタースピーカー以外から得つつ、
モニタースピーカーからは絶対必要な音を中心に出す、という調整にすれば良いということになります。
そのためには、自分のモニタースピーカー以外に、
どこから何の音が鳴っているのか把握し、利用することが大切だと思います。



 2.ステージ上に設置されたアンプの音
モニタースピーカーの他に、エレキ楽器の音を出すためのアンプが設置されています。
大抵のライブハウスには、ギターアンプやベースアンプが必ずありますね。

ギターアンプはマイクを立ててメインスピーカーに音を届けるために設置されており、
ベースアンプは演奏者のモニターのために設置されているという違いはありますが、
どちらも結構大きな音量でセッティングされるため、
ステージ上ではエレキギターの音、ベースの音が常に鳴っている状況になります。

演奏者が「ベースの音が聴きたい」と思っていたとしても、
アンプから出ている音が演奏者にとって十分な音量であった場合、
モニタースピーカーからはベースの音を出す必要性は下がる、ということです。

たとえば、ステージ上の演奏者全員がベースの音が聴きたいと思っているにも関わらず、
ステージ上のベースアンプの音量が小さいのであれば、
全員のモニタースピーカーのベースの音を大きくするより、
アンプの音量を上げる方が合理的ということになります。

逆に、ギターアンプやベースアンプの音量が大きすぎると、
モニタースピーカーからの音がかき消されてしまうこともあります。
その場合は、他のパートの人と腹を割って話し合い、調整してもらいましょう・・・。

余談ですが、LOUDNESSのヴォーカリスト、二井原実さんは、
同バンドのギターヒーローである高崎晃さんのギターアンプの音量が非常に大きかったため、
イヤーモニター(イヤホンで聴くモニター)導入まではめちゃくちゃ悩んでいたらしいです。



 3.他の演奏者用のモニタースピーカーの音
意外と盲点になりそうなものがコレです。

「自分にとって、無ければ演奏できないというものではない、しかし全く聴こえないと困る」
という音で、他の演奏者用のモニターから聴こえる音があるのなら、
それを利用してしまうのが一番良い、と考えます。

例えば一般的な規模のライブハウスであった場合、
自分のようなベーシストの立ち位置には、
すぐ隣にボーカリスト用のフットモニターがあります。

僕にとってボーカルの声は、
「聴こえる必要はあるものの、自分のモニターを使ってメインで出す必要は無い」
という音なので、ボーカル用モニターの音から聴いていました。

そうすることで、自分のメインモニターで鳴らすパートを減らすことが出来て、
聴きたい音をクリアに聴くことが出来るんですね。

ドラマーさんみたいに、位置が自分だけ離れている場合は利用しづらい方法ですが、
ベーシストのような立ち位置であれば、センターモニターの音の流用はかなりやりやすいと思います。


 4.楽器の生音
バンドの中にドラムのような、大きな音を出せる楽器がある場合、
生音ももちろん中音として使えます。

僕らのバンドはドラムレスバンドだったのであまり経験は無かったですが、
先輩の知り合いのインストバンドは、ベースの立ち位置を上手側(ステージから見て右側)にして、
ベーシストが生音でハイハットを聴きながら演奏してグルーヴを作っていた、
などという話を聞いたこともあります。


 5.客席に向けられたメインスピーカーの音(外音)
さて、5番目の「外音」ですが、これが一番の問題です。

客席に向けて設置されている、大音量のメインスピーカーは、
ステージ外からステージ内へ音が回ってくることがあります。
特に、リハの時間などは客席に人が少ないので、
綺麗に音が回ってくるんですね。

僕の考えですが、「中音作りにおいて、外音の回り込みは信用するな!」
と強く考えています。

理由は2つあります。
ひとつは、「外音の回り込みの音量は、お客さんの量によって大幅に左右される」こと。
よく、「お客さんが沢山入ったから、音が変わって演奏し辛かった」みたいに言われますが、それは外音の回り込みが減ったからだと思います。
自分のモニタースピーカーの音量は、自分の耳元にあるものなので、
それより遠い客席にお客さんが入っても大幅に返し音が減ることは無いはずです。

お客さんの量という可変的な要素で、演奏し易さ・しにくさが変わる、というのはあまりに非合理的である、というのが理由のひとつ。


もうひとつは、「音速は、人が考えるより早くない」ということです。
音速は340m/秒なんですが、これってイメージ的には早いですよね?
でも、例えばテンポ120の曲であれば、4分音符1拍分が0.5秒です。
8分音符1拍分が0.25秒。
つまり85m離れた場所だと、人間の耳に届くタイミングは、
テンポ120の曲だと音が8分音符1拍分ズレるということになります。

ちょっと極端な例でしたが、音が発せられる場所が遠くにあればあるほど、
演奏のリズムがズレる原因となりうるということなんです。
なので、客席に向けて(=自分の立ち位置とは反対を向けて)設置されたモニタースピーカーを頼りに演奏するのは、
あまり合理的じゃないということになりますよね。

という、2つの理由があるので、僕は外音は「遠くの方で鳴ってればいいな」って
レベルの音として考えています。
やはり、中音はモニタースピーカーの音、それとアンプの音で作り上げたいところです。



次に、自分がどうやって中音を作っていたか、みたいなことを書こうと思いましたが、
長くなりすぎたので一旦締めます!

続きは気が向いたら、「自分はこうやって中音を作っていた」って話を書きます!

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ブログ移転しました。

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アメブロというブログサービスが嫌いになって仕方なくなったため、ブログを移転しました。

TOKYO SICKS(活動休止中)のアップライトベーシストにして、
現在、色々と修行中のおうじといいます。

これまでの立場上、結構情報発信する時に言葉を選んだり気を遣ってたこともあるんですが、
せっかく独り身になったので気分を一新してブログを改めて書き始めようと思います。
FacebookみたいなSNSをブログ代わりに使う人も多いですが、
僕はFacebookが世界中で最も嫌いなレベルで大嫌いなのでそういうことはしません。

音楽のこと、楽器のこと、情報技術のことなんかを書いていければいいな。
自分が、と周りの音楽好きな人たちが「音楽離れ」しないように、というのがテーマです。
よろしくお願いします。

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